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No.12                             酒 井 寿 紀                      2000/4/29


オンライントレードを活用しよう!

 

アメリカでは個人の株取引の30%がインターネットによる、いわゆる「オンライントレード」だという。日本でも、昨年10月の手数料の自由化により、オンライントレードを使うと手数料が安くなった為、オンライントレードが急速に普及しているようだ。

では何故オンライントレードがいいのだろうか?

(1) 夜間/休日に発注できる。

普通のサラリーマンが株の取り引きをしようと思うと、先ず困るのが証券会社の営業時間に証券会社と連絡を取るのがなかなか難しいことだろう。特に朝、市場が開く前に注文を入れたい時は時間が非常に限られ、通勤途上とか朝の一番忙しい時で、電話一本かける余裕もないことが多いのではなかろうか? その点オンライントレードを使えば前の晩にじっくり考えた上で発注しておけばいいので、日中時間が取れないサラリーマンには極めて便利だ。

(2) 注文内容を確認できる。

オンライントレードを使わなければ、証券会社に電話して売買を依頼することになるが、電話だと注文内容の証拠が残らないので、言い間違い、聞き間違いがないか心配だ。その点オンライントレードを使えば、注文内容を画面で確認し、紙に印刷して取っておくこともできるので安心だ。

(3) 取引の履歴や資産の明細を管理してくれる。

証券会社にもよるが、いちいち自分で資産管理のファイルを作らなくても、証券会社が取引の履歴や資産の明細のファイルを作ってくれ、いつでも最新状況を確認できる。これにより、いつどの銘柄をいくらで売買したか、また自分が持っている各銘柄の現時点の評価額はいくらかがいつでも分る。売買時の手数料や税金、現時点の評価損益や実現損益等、どこまで詳しく分るかは証券会社によって違うので、事前によく調べる必要がある。こういうサービスは各社の競争でこれからどんどん便利になっていくだろう。

(4) 手数料が安い。

証券会社によっても違うが、電話による注文より人件費が少なくて済む為、オンライントレードの方が一般に手数料が安い。現在は、オンライントレードで取引が成立すると、取引明細を郵送してくる証券会社があるが、取引内容の詳細はインターネットで確認できるので郵送は不要である。現在は法律等で郵送が義務づけられているのかも知れないが、こういう新時代にそぐわない馬鹿馬鹿しい無駄を省けば手数料はもっと安くできると思う。

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このようなメリットがある為、今後はオンライントレードが主流になると思う。便利なものはどんどん活用して時間と手間の節約を図るべきだ。ただし、ゲーム感覚で多額の取引ができてしまう為、これを使うに当たってはいくつかの注意が必要である。

(1) 機械は必ず壊れ、人間は必ず操作ミスを犯す。

原子力発電所は必ず放射能漏れを起こし、飛行機は必ず落ち、電車は必ず脱線し、ロケットの打ち上げは必ず失敗することがある。これは、機械は必ず故障し、人間は必ず操作ミスを犯すものなので絶対になくならない。問題はその頻度が多いか少ないかであり、その頻度を下げる為にやるべきことをやったかどうかだ。機械のメーカーは故障の頻度を下げ、機械のユーザーは故障した時の被害を最小限に食い止める努力をしなければならない。

オンライントレードに使うパソコンも必ず動かなくなることがある。ハードウェアが壊れることもあるし、オプションの増設やソフトのインストールの作業ミスで動かなくなることもあるし、ハッカーにアタックされて使えなくなることもある。また、回線の問題で、通信が途中で途切れたり、情報が化けたりすることもある。

従って、パソコンが使えなくなった時の為に、いつでも電話等で証券会社に連絡が取れるようにしておくとか、予備のパソコンを用意しておくとかの配慮が必要がある。

また、オンライントレードで株の売買注文を出した時は、証券会社の注文残高のファイルに正しく登録されているか確認し、その内容をディスクに取り込んでおくか紙に印刷しておく必要がある。

また、資産の評価額等の重要な情報をディスクに格納しておく時は、ディスクを二重化するか紙にも印刷しておく必要がある。

(2) 株数の入力には特にご注意!

詳しいことは忘れたが、数ヶ月前に、先物かオプションの売買高が、普通の日より何桁も跳ね上がり、すぐ反対売買されて、証券会社が入力ミスをしたと思われるという記事が新聞に出ていた。プロのディーラーでもこういうことがあるのだ。

特に日本では、1株の株価が数十円のものから数千万円のものまであり、売買単位も1株から1,000株まであるので、うっかり間違えると大変なことになる。

酔っ払って夜遅く帰って、寝ぼけまなこで発注する時など特にご注意を!


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