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ヨーロッパ今昔シリーズ (9)

ミラノ今昔

酒井 寿紀

はじめに

この「ヨーロッパ今昔シリーズ」を始めたいきさつについては「パリ今昔」の「はじめに」をご覧下さい。

「現在」の写真はすべてGoogleの "Street View" によるものです。

「約100年前」の写真はすべて当時の写真集から取ったものです。

新旧対比表

No. 約100年前(1900~1920年頃?) 現在(2021年)
1

 ドゥオーモ  (Duomo)
 左端は「ガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世」(No. 2参照)の入口。
 広場の中央の騎馬像はヴィットーリオ・エマヌエーレ2世。(No. 3参照)
 建造物はほとんど変わってないようだ。

2

 ガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世  (Galleria Vittorio Emanuele II)
 1877年に完成したイタリア最古のガッレリア(ショッピング・アーケード)。

3

 ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の像 (Monumento a Vittorio Emanuele II)
 
1896年に息子のウンベルト1世によって建てられた。
 馬が向いている方向にドゥオーモ(No. 1)がある。

4  スフォルツェスコ城  (Castello Sforzesco)
 
元の城は14世紀にヴィスコンティ家によって建てられた。
 それを1450年にスフォルツァ家が大幅に改築した。
5

 ジュゼッペ・ガリバルディの記念碑 (Monumento a Giuseppe Garibaldi)
 イタリア統一の功労者ジュゼッペ・ガリバルディの記念碑。
 後方はスフォルツェスコ城(No. 4)。     

6

 「アルコ・デッラ・パーチェ (平和の門)」 (Arco della Pace)
 スフォルツェスコ城(No. 4) の裏のセンピオーネ広場(Piazza Sempione)にある。
 1838年に、当時この地方の支配者だったハプスブルク家によって建てられた。    

7

 「チンクエ・ジョルナーテ (5日間)」の広場と記念碑 (Piazza e Monumento Cinque Giornate)
 1848年に、ミラノの民衆がオーストリア軍に対して蜂起し、イタリア統一戦争が勃発した。
 最初の5日間でオーストルア軍をミラノから追い出した。
 それを称えて、1895年にこの記念碑が建てられた。下部に市街戦で戦った民衆が描かれている。

 アレーナ (Arena)
 ナポレオンが1796年~1815年の間この地方を支配し、1807年にこのアレーナを建設した。
 当初は主として模擬海戦、競馬等に使われ、現在はサッカー、ラグビー等の試合に使われている。
 古い写真の手前中央と右端に見えるのは一対の同型の塔。中央の塔のすぐ右に写っているのは貴賓席。
 「現在」の上の写真は、塔付近から貴賓席を見たもの、下の写真は、貴賓席から塔の方向を見たもの。
 二つの塔の中間に競技者のフィールドへの出入口が見える。
 このアレーナは約200年前のナポレオンの置き土産である。




おわりに

スカラ座と「最後の晩餐」の壁画の教会がないのは?

この「ミラノ今昔」を書いていて、どうしても解せないことがあった。

ミラノの著名な観光スポットに、スカラ座と「最後の晩餐」の壁画がある。しかしこの2個所とも本編に使った古い写真集には載ってないのだ。何故なのだろうか?

スカラ座(La Scala)は1778年にオープンし、20世紀の初期には長年にわたってトスカニーニが音楽監督を務めていた、世界的に有名なオペラ劇場の一つである。

「最後の晩餐」の壁画は、1497年に完成したサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ(Santa Maria delle Grazie)教会にある。壁画はレオナルド・ダ・ヴィンチが1495-1498年に描いたという。私がここを訪れたのは30年以上前の夕刻でもうかなり暗く、その上絵の汚れや破損が激しかったので、ほとんど何が描かれているのか判別できないような状態だった。その後1978年から約20年かけて大修復をしたので、現在は壁画の状態がはるかによくなっているはずである。但し、修復の正当性については賛否両論あるようだ。

両者とも20世紀初頭には著名な建造物だったと思われるので、古い写真集に載ってないことは何とも不可思議だ。この写真集はミシン目から切り離して使える絵はがきを8枚ほど針金で束ねた簡単な冊子なので、いろいろな種類のものがあり、たまたま私の手元にあるものがスカラ座も「最後の晩餐」も含んでなかったのかも知れない。いずれにしても、今となっては詮索のすべもない。

 

 (完) 2021年6月21日


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